
明治時代にフォーカスを当てたテーマパークの明治村には、洋風建築から和風建築までいろいろな建物を楽しむことが出来ます。
外観だけでなく、中を見学できる場所も多いため1日を通して楽しむことが出来る建物好きにはたまらないスポットの1つです。
その中で見どころの多い重要文化財の【東松家住宅】についてご紹介したいと思います。
希少な木造3階建ての商家
明治34年頃名古屋にて建てられた東松家住宅。
慶応3年からようやく武士以外でも木造3階建ての建物を建てることができるようになり始めたものの、大正8年市街地建築法により建物の高さの制限が出来てしまったため、約50年ほどしか3階建て以上の木造建築は建てられなかったそうで今では希少です。
ちなみに現在木造3階建て以上を建てることも出来ますが、ちょっと特殊で専門技術が必要になってくるそうです。
元々は平屋だった建物を改築していき3階建てになっています。間口が狭く奥行きの深い当時ならではの町家造りに、どんどん改築して3階建てになった建物のため予想外の部屋が出てきたりと、どこかからくり屋敷を巡っているようなわくわく感がありました。とにかく造りが面白いのでぜひ中を見学して欲しい建物です!!
油屋を営んでいた商家のなごり
天井低めのお店部分。明治20年代まで油屋を営んでいた東松家は、時代の移り変わりとともに堀川貯蓄銀行業に鞍替えしたそうです。
入ってすぐはお店の部分です。こちらの建物ではガイドさんが中を案内してくれました。
面白い造りで胸アツな場所
このお店の辺りは吹き抜けになっているのですが、見上げてみるとめちゃ面白いです。ひょこっと出ているところがあったり、統一性のない装飾などがとても楽しい。近くに寄っていろんな角度から見て欲しいです。
上に上がって、逆にこの吹き抜けの辺りを眺めても面白いです。この格子状になっている部分から覗いてみると、正面に細い梯子が見えます。こちらは女中部屋だそう。珍しい造りですよね~~。ただ、男性ならまだしも女性がこの梯子は大変だった気もしますが…。
廊下も一直線ではなくギザギザしているところがあったり。
障子の部分、そこ開くの!?って場所があったり。光の加減でこの下の画像左側のように半月が出てくる仕組みになってたり。
襖にちどりがいたり。
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階段部分も狭くて急。そしてすぐ階段があり、部屋の出入口も狭め。この辺りに居たら、気付いたら当時にトリップ出来るんじゃないかと思うほど興奮しました~。
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階段上がると間に部屋があり、また階段を上る…。この間の部屋とか秘密の場所っぽい感じして好き。
この障子のデザインとかね、ずらしてるとことか分けてるところとか面白い。
ロケでもするのかな?と思ってしまうような部屋の造り。この上の並んだ像がまた気になる。聞けばよかったなあ~。
上品な造りの部屋
遊び心や増改築の名残りを感じる建物ばかりではなく、しっかりした上品で商家らしいお部屋などもあります。
1階の座敷にはハレの日のご馳走が並べられていました。
画像の映りがあまりよくないので中央の料理が焼きビーフンっぽく見えますがちらし寿司です。
欄間の透かし彫りが可愛い。けど品がありますね~。
丸窓が素敵な3階。THE・日本な感じのお部屋です。
が、しかし普通なだけじゃない。押し入れにはまさかの蛇口があったり。反対側は底がありません。1階に通じていたので、いちいち下へ行かなくともここから水を運んだりできるようになっていたんですね。面白い~。
質素な奥の部分
室内は上品な造りの場所が多かったわけですが、奥の方、建物の後ろの部分は意外と質素。
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この東松家住宅は1つの建物内でこうも違った部屋などが見れるんですよね~。
まとめ
東松家住宅は、明治時代というよりは江戸時代を想像してしまう造りの和風建築でした。
どこを見ていても物珍しくて、撮影する手が止まらないほど。時間が出来たらゆっくりとまた見学したいと思います~。