
重要伝統的建造物保存地区として茶屋町の町並みが保存されているひがし茶屋街は当時の雰囲気も残しながら、リノベーションしオシャレなお土産屋さんや飲食店として営業を続けています。
その中で、江戸時代に建てられたお茶屋の建物の中を見学することができるスポットがあります。今回は重要文化財にもなっている【志摩】をご紹介します。
一見さんお断りの優雅なお店
お茶屋と言われると、現代なら喫茶店やお茶を売るお店を想像してしまうかもしれません。ですが、江戸時代は芸妓さんが舞踏や三味線、唄などでお客をもてなす大人の社交場だったんですね。
京都と同じく一見さんはお断りで、お客側も芸を理解する知識や教養などが必要になる高級なお店だったわけで、当時じゃ絶対に足を踏み入れることが出来ない場所でした。
江戸時代から手を加えることなく残る建物はとても優雅。現在でも素晴らしいと思うこの建物の造りや家具などで思わずうっとりしてしまいます。
玄関入ってすぐ目に入るのが2階へ続く階段。もうここの雰囲気から期待大。絶対素敵な建物だと思いました。
この階段前の一部だけ吹き抜けになってます。
階段の横には小さな囲炉裏のスペースがあります。とても味があって素敵。
茶屋遊びへ
茶屋遊びができるのは2階で、3部屋客座敷があります。ちなみに、現在もこちらで喫茶としてお茶をいただくことができますが、それは1階の奥の茶室「寒村庵」になります。
お客様のお部屋には控の間が1つあり、そこから遊芸が披露されていたんですね~。それぞれ違った上品さのある座敷です。
客座敷 | ひかえの間 | |
前座敷 | ![]() |
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ひろま | ![]() |
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はなれ | ![]() |
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前座敷とひろまの間には中の間があり、そこから右は前座敷、左がひろまになっています。中の間から見た造りも面白いです。
窓際もとても風情あって良き。2階はどこみてても動悸息切れします。
飾られている三味線がまた良いですよね。この灯りもたまらない。
この時代の階段と廊下が好きなのですが、ここもまた素敵なんですよ~。
三味線の音が聞こえてきそうな雰囲気でてます。
2階から中庭を眺めることが出来るのですが、どうしても建物の造りの方が気になってしまう…。はああ、良き。
お店の仕事場
1階は帳場や台所など仕事の場として使用されていたようです。
帳場の隣は奥の間になっており、女将さんのお部屋だったようですがこちらもシンプルながら上品です。また、奥の間からも中庭を眺めることができ落ち着ける雰囲気があります。
台所は1階の茶室へ向かう廊下を歩いていると現れます。薄暗くなっている場所にあり、物置かと思いました…。井戸や石室も当時のままだそうです。台所というけど調理するようなものが見当たらないなあと思っていたら料理は外のお店から取り寄せていたそうです。お茶屋はあくまで遊芸を楽しむところだったんですね。
まとめ
志摩は奥に深い造りの建物で、外観から想像するよりも広く優雅で江戸時代のお茶屋の雰囲気が色濃く残る歴史好きにはたまらないスポットです。
お茶屋さんの独特な空気感が建物から伝わってきて、当時にタイムスリップした気分を味わえます。金沢にきたらぜひ訪問して欲しいスポットです。
志摩MAP
【志摩】
- 料金 :一般¥500/小・中学生¥300
- 開館時間:9時~18時(冬季/12月~2月 9時~17時)
- 定休日 :無休
※寒村庵を利用したい場合、志摩の観覧料が別途必要になります。