
明治以降『学都 弘前』を目指していた弘前は、明治5年『東奥義塾』を開校した当初から外国人宣教師を招き、明治23年には外国人教師の住居が建てられたそうで、早くから外国語に触れる環境を作っていたようです。【旧東奥義塾外人教師館】は、現在一階はカフェ、二階は資料展示と宣教師の住んでいた様子を残した部屋を見学することができます。
洋館に招待されたような気分!
二階は地方に居住した外国人教師の住宅としては大きく、子供のいる家庭で住める広さ。しっかり子供用の部屋や、まさかのブランコのある場所まで。
どの部屋も現在住んでいるようにしっかりインテリアが置かれていて明治の外国人教師のお宅へお邪魔させていただいているかのような気分になれました。部屋ごとに印象が違い、カラフルでとても楽しいです。
左から一枚目と二枚目は壁の色が同じなのでわかると思いますが、同じ部屋であり寝室です。広くないですか。窓際の椅子で本を読んだりとか…オシャレな感じがする。落ち着いたピンクの部屋は書斎です。四人用の机があるところをみると、学生を招くことがあったのかなあ。
子供部屋は落ち着いた雰囲気。人形がなければ、寝室や書斎よりも大人っぽい感じがしますね。奥の小部屋には馬がぽつり。乗って遊んだのかなあ。ベランダにはブランコ。屋内にブランコを置く発想がなかったので、初めて見た時は衝撃でした。ただ、当時を考えると地方では余計外国人は珍しいでしょうし、外で遊ぶより家の方が両親的にも子供的にもよかったのかもしれませんね。
時間の流れを感じる部屋
資料展示室では、東奥義塾の歴代外国人教師の写真や、義塾の略年表、明治の留学生についてや、アレキサンダー先生の末娘さんのウェディングドレスなどが飾られてありました。ウェディングドレスは首から手首、足元まで肌を露出する部分が少ない仕様です。これは時代なのか、挙式を挙げたのが寒い時期だったからなのか、それともほかの理由なのか…。今の華やかなウェディングドレスと違い、少し質素な感じですね。いずれにしても、ここで過ごした娘さんが成長し結婚したことを想像するとなんだか感慨深いなあ。
ちなみに、【旧東奥義塾外人教師館】で結婚式の前撮りをされた方もいらっしゃるみたいですね。
サロン・ド・カフェ・アンジュ
一階は【サロン・ド・カフェ・アンジュ】というカフェになっています。弘前は『アップルパイガイドマップ』があるほど至る所でアップルパイを食べることや購入することができます。こちらでも販売しているのですが、しっとりサクサクどちらも楽しめるパイ生地にレーズンやナッツがアクセントとして入っているアップルパイだそうです。さっぱりとした甘さの弘前生まれのりんご『栄黄雅』を使われているそうなので、観光だけでなくグルメでもガッツリ弘前を感じられると思います。店内もアフタヌーンティーにふさわしい落ち着いた雰囲気なので、時間があえばぜひ。ちなみに私は開店時間より早く訪れたので、店内は入ることができませんでした。
サロン・ド・カフェ・アンジュと、【旧東奥義塾外人教師館】の見学時間は始まる時間だけ違います。
- 営業時間:9時30分~午後6時(ラストオーダー:午後5時30分)
- 休業日 :年末年始、ほか貸切の場合あり
まとめ
部屋の中にインテリアが置いてあり、どの角度から見ても素敵なので、ぜひいろんな場所から見て想像を膨らましていただきたい洋館でした!
【旧東奥義塾外人教師館】は【旧弘前市立図書館】と同じく堀江佐吉が手掛けた(手掛けたが焼失し、新たに別の方が造ったと言われていますが詳細不明)建物であり青森県重宝に指定されています。この二つは同じ敷地にあるので、違いも楽しめると思います。
ちなみにこちらは”東奥義塾”の外人教師が住む建物ですが、学び舎の名前を”東奥義塾”と命名したのは慶応義塾の創設者であり一万円札でも有名な福沢諭吉だそうです。
また、弘前に実在した建物のミニチュアが外で展示してあり、こちらもオススメです。
旧東奥義塾外人教師館MAP
- 開館時間:午前9時~午後6時
- 入館料 :無料
- 休館日 :年末年始(開館の場合あり)