
弘前公園の出口の一つ、北門(亀甲門)を出て前方に現れる【石場家住宅】は重要文化財になっています。横に長い造りの建物でその見た目に惹かれすすすと石場家前まで来て何気なく窓や壁の張り紙を見ていたらお酒などの紹介された紙に混じって『商家文化財見学\100』の文字をみつけた。
これぞ日本!囲炉裏のある居間
お酒などを販売している店内から通されて、一番に目が行くのがこの囲炉裏のある居間です。
ゆったり時間が流れていそうな空間。奥は現在も使用されているそうで、上がって見学にいくことはできませんがここだけでも見せていただけるのはありがたいことです。
囲炉裏の真ん中にぶら下がっている自在鉤の上の柱には年縄が巻いてあります。これは火除けやしめ縄の一種らしく、一年に一本を三巻きしていたそう。現在は百七十四巻残されているという梁の部分にもぜひ注目してみてください。
滑らないように馬に履かせるわらじ”馬沓”も吊るしてあったようですが気づかなかった…。”馬沓”を吊るすのには商売繁盛・家内安全の意味が込められているそう。石場家がいつ頃から商売を始めたのか正確な時代はわかっていないそうですが、建物は江戸中期と推測されているのでその頃なのかなあ。いずれにしても”馬沓”は時代を感じる代物ですね。ちなみに、商売の中心は”わらを使った物”なことも”馬沓”が吊るしてあった所以の一つかもしれません。

囲炉裏の部屋は二つ続いています。床が違うだけでも雰囲気が違いますね。どちらもそれぞれ良いと思いますが、畳の方が優しい感じが出ていて安心します。それにしても立派ですよねー。
印半纏の襟字に『石場精米所』、『海産物肥料』と書かれているところをみるといろんな仕事をされていたことがわかります。それにしても『海産物肥料』とは…?
屋内にある珍しい造り
屋内だけど靴のまま移動できる土間があり、そこに井戸もあったのには驚きました。この建物が造られたのが江戸時代だとすれば共用の井戸が多いはず。こういったところからも豪商だったことがうかがえますね。
屋内だから持ちがいいのかな?井戸すごい。
屋内に土蔵もある。これはこの地域だと雪が降った際この重い扉を開け閉めするのが大変そうな気がするのでそういった意味で屋内においているのかなあと思ったのだけどどうだろう。となると井戸もそういった意味合いもあるのかなあ?
あと個人的にお!と思ったのは階段箪笥。帰るときに入り口付近にあったことに気づいた。位置的に今はインテリアな感じがするけど、実際に石場家で使われていたのかな?階段箪笥は日本の文化を感じられる素敵な和家具の一つですよね(うっとり)

まとめ
津軽地方の数少ない商家である【石場家住宅】は、雪国の地域の特有さももった貴重な建物でした。地域によって違う部分がみえてくるのは面白いですね。弘前城へ行ったならぜひ見学して欲しい建物です。また、【石場家住宅】の裏側にある地区は、”弘前市仲町伝統的建造物群保存地区”となっており、4棟の武家住宅の室内を見学することができるのでそちらもオススメです。
石場家住宅MAP
【石場家住宅】
- 開館時間:午前9時~午後5時
- 休館日 :不定休
- 入場料 :中学生以上¥100
- 駐車場 :あり