
明治43年、東京渋谷の南平台に建てられた外交官内田氏の住宅を山手イタリア山庭園に移築しました。
西洋文化が入ってきたことで、皇族や華族などを中心に和館と洋館を並べた和洋並列型住宅も取り入れられるようになり、外交官である内田家もその流れに乗ったんですね。主な生活は洋館だったそうです。
現在、山手イタリア山庭園で移築し見られるのは洋館になります。
玄関ホール。左奥に見える洋館の玄関扉にはステンドグラスがはめられていて入り口から豪華さがあります。ちなみにこのステンドグラスのある扉の先向かって右側に「供待部屋」があります。
画像の角度からみて左側の部屋、大客間は一層華やかさがありました。赤い重みのあるカーテンに、この季節使用されていた黄色のテーブルクロスがまた合う。2017年の夏のものですが、この年実写化上映された「美女と野獣」と共に「星の王子さま」をイメージされた装飾や家具、グッズなどが飾られてある部屋があり、華やかでとても美しい世界を見ることが出来ました。
その隣、小客間は淡い水色のテーブルクロス。こちらは落ち着いた雰囲気の上品さ。そこから見えるサンルームがまた素敵でした。サンルームからは山手イタリア山庭園も見ることが出来、常に誰かが座っていました。
一番私がたぎった場所。それが食堂です。高級感があり艶やかなブルーサファイアのような青のテーブルクロスと椅子カバーに照明のカバー。「星の王子さま」イメージの部屋なのですが、最初見た時は美女と野獣を思い浮かべてしまいました。
まるで物語の中に入ってしまったかのような幻想的な雰囲気。
実写版の美女と野獣の完成度が素晴らしくて何度も観てたからきっとその影響もあるんだろうな~。いやでも、これは別世界へ連れてってくれそうな感じがしませんか!ここだけ別空間な感じがするんですよ~。このテーブルセッティングした方に力いっぱい拍手を送りたい。夢をありがとう。
二階へ上がる前に、玄関から入って左側にある「供待部屋」を。御付きの人の控室だそうで、窓からは馬車回しを見ることができたそう。外交官の家らしい部屋ですね~。
シンプルながらもやはり上品な部屋です。部屋へ入ると右奥に小さな扉があります。
平面図を見る限りだとこの扉の中はかなり小さなスペースなので、物置とかなんだろうなーと思うんですけど、これ地下の入り口とかだったらロマンがあるなあとか思い馳せてました。
玄関ホールへ戻り、階段を上ります。
まずは階段を上がって正面の「書斎」へ。
威厳のある部屋ですよね~。とっても偉い方が居そうな雰囲気。
棚の中のアンティークな時計や本がまたオシャレなんですわ…。
次は隣の「主寝室」へ。
主寝室に入って左奥にも小さなお部屋があります。八角形型の部屋は窓も多く、自然の光がよく入ってくるのでサンルームのようなくつろげる空間になってますね。
八角形型のお部屋から主寝室をみるとこんな感じ。暖炉にベッドが二つ。ホテルの一室のよう。
窓際のインテリア。レトロだけど上品。
この主寝室から「浴室」へのドアがあります。
よくあるバス、トイレ、洗面が一緒になっているタイプなんですけど、オシャレ~!バスとトイレは別が好きですけど、これは許せてしまう…。
主寝室からだけでなく、なんと廊下からも浴室への出入口があります。
主寝室からまっすぐ行くと洋館から和館へ繋がる場所にあたります。
今は無き和館ですが、この部分だけ名残りが残っていました。和館には、一階に下男、女中室や台所、二階には令嬢室などがあったようです。使用人用に部屋だけでなく、便所や浴室なども別に用意されています。平面図を見ると、下男室と女中室が廊下を挟んだ隣同士なのがわくわくしました。
和館からみるとこんな感じ。ちょっと段差があります。和館の方が部屋の高さは低めだったのかなあ。
山手イタリア山庭園がしっかりみえるポジション。綺麗です。
まとめ
「山手イタリア山庭園」には「外交官の家」と「ブラフ18番館」があり、そのどちらも見学することができます。
「ブラフ18番館」も一般的な日本人の住宅より規模も大きめで立派であると思いますが、「外交官の家」はそれ以上に立派です。今は無き和館を差し引いても豪華で、住宅には賓客の訪れがよくあることを想定して造られていることがわかります。
この二つはだいぶ違いが感じられて面白いので、ぜひ見比べてみてください~。
外交官の家MAP
【外交官の家】
- 見学料 :無料
- 開館時間:9時30分~17時
- 休館日 :第4水曜(休日の場合は翌日休み)、年末年始